高知家総合診療専門研修プログラム(以下、高知家プログラム)は、高知大学医学部附属病院を基幹施設とし、他に県内32の医療機関が連携施設として参加する全国でも最大規模の総合診療専門研修プログラムです。
高齢化や過疎化、医療資源の中央集中など多くの課題が全国に先行する高知県全域をフィールドにしており、地理的にも医療機能的にも多様な場において各施設の特徴を活かした研修が可能です。また、志望するキャリアに合わせたオーダーメイドな学びが構築できるため、将来、都市でもへき地でもあらゆる環境において責任を持って診療ができる総合診療専門医になることができます。
目指すのは、病院、診療所などで活躍する
確かな診療能力と、地域包括ケアシステムのリーダー
となる資質を備えた総合診療専門医の養成です。
高知家プログラムは、専門研修1・2年次と専門研修3年次に分かれており、それぞれ研修の目的や内容、研修施設が異なります。
●「総合診療Ⅱ」「内科」「小児科」「救急科」を中心に研修
●「総合診療Ⅱ」「内科」を主軸とした10の連携施設群コース(モデルコース)から選択
●希望により「その他領域別」の研修が可能
●患者の健康問題を把握し適切な評価を行い、Common diseaseについては、上級医の指導のもと治療方針を決定することを学ぶ
●患者の健康問題について心理社会的な問題を含めた評価を行い、多職種と協議しながら治療・ケアの方針を決定することを学ぶ
●「総合診療Ⅰ」を研修
●18の連携施設から専攻医のニーズにマッチした研修施設を調整
●希望により、週1回、補完研修が可能
●複数の健康問題を持つ患者、複雑な社会背景を抱える患者、在宅医療・看取りを必要とする患者に対し、多職種協働のもとで適切なマネジメントを行うことを学ぶ
年に3回、これまでに作成したポートフォリオを発表し、指導医や先輩専攻医からのフィードバックやアドバイスを受けます。大人数で検討することにより、新たな気づきや学びを得ることができます。
コミュニティ・ケア、メンタルヘルスなど総合診療医として身に付けていくべき領域について専攻医・指導医がともに学ぶ機会を定期的に設けています。専攻医の希望に応じて内容を決め、その道のエキスパートを招聘しています。
日本プライマリ・ケア連合学会等の学術集会や、県内で行われる総合診療に関するセミナー、勉強会への参加を積極的に支援します。
救急研修や小児科研修といった総合診療専門研修以外の期間や研修施設でも、総合診療医としての学びと振り返りが途切れることがないように専攻医の希望に応じて施設外指導医を決めています。メンターとしての役割とともに定期的な振り返りやポートフォリオの作成支援を行います。
高知家総合診療専門研修プログラム 統括責任者
高知大学医学部附属病院 総合診療部 教授 瀬尾 宏美