高知家総合診療専門研修プログラム

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Voice ?総合診療専攻医の今?Voice ?総合診療専攻医の今?

病気のある人を、その人の暮らしごと、地域ごと、診ることのできる医師に
病気のある人を、その人の暮らしごと、地域ごと、診ることのできる医師に

2022年度研修開始 ※2025年度取材
長崎 健一
(2018年度 高知大学医学部卒業)
臨床では病歴聴取に加え、患者さんを直接診たり聴いたり触れたりして身体で覚えるという経験を積むことが多いですが、学会に参加し、常に最新の医学知識を学ぶことも重要だと感じています。その両輪で、患者さんを支えていきたいですね。
複数の疾患を持つ患者さんを支えるチーム医療の橋渡し役複数の疾患を持つ患者さんを支えるチーム医療の橋渡し役もともと再生医療などの基礎研究に興味があり、学生時代は免疫学教室で実験に没頭。でも一生の仕事か?と考えたとき、研究ではなく臨床、中でもやりがいを持って取り組めると感じた総合診療の道を選びました。
専門研修1~2年目の高知県立あき総合病院では、外来と病棟を受け持ちながら、特に他科との併診について学びました。地域で暮らす患者さんは、基本、複数の問題や病気を抱えています。そこで総合診療医が患者さんの全体を診て、他科の先生方との橋渡し役として調整を行うことで、患者さんの望む治療と生活を実現します。3年目は高知医療センターで、三次救急医療におけるさまざまな救急対応を経験しました。

限られた環境でも、患者さんを診ることができるように限られた環境でも、患者さんを診ることができるように 4年目の現在は高知生協病院で、慢性期の患者さんの外来や在宅医療について学んでいます。総合診療は、限られた設備の中で患者さんを診ることも少なくありません。だからこそ自分の限界を知り、できないときは迷わず他科に紹介するようにしています。
このプログラムでは、指導医や統括責任者の先生方が専攻医一人ひとりを視て、研修の進捗やプライベートの状況に応じて臨機応変に研修の調整をしてくださいます。決まったレールではなく、自分の望む目標を組み立てて進んでいきたい人におすすめです。 最近ある先生に言われてハッとしたのですが、私たちがよく使っている「患者さんの背景」という言葉――これは、患者さんの側から見ると「全景」です。患者さんの全景を診ることのできる医師になりたいと思っています。

Voice ?総合診療専攻医の今?Voice ?総合診療専攻医の今?

自分のやりたいことができ、それが誰かの役に立つというしあわせ
自分のやりたいことができ、それが誰かの役に立つというしあわせ

2024年度研修開始 ※2025年度取材
前田 佳純
(2021年度 筑波大学医学群卒業)
臨床では病歴聴取に加え、患者さんを直接診たり聴いたり触れたりして身体で覚えるという経験を積むことが多いですが、学会に参加し、常に最新の医学知識を学ぶことも重要だと感じています。その両輪で、患者さんを支えていきたいですね。
病気だけでなく、人を診る病気だけでなく、人を診る高知で医師として働くことをイメージしたとき、浮かんできたのは総合診療医。家庭医である父の姿を小さい頃から見てきたこと、そして人と話すことが好きな自分にいちばん合っていると思えたことが理由です。
研修医の間はどちらかというと、「こんな時どうするか」という病気に対する判断や治療を中心に勉強しましたが、専攻医の今はそこも学びつつ、病院からご自宅や地域に帰った後、患者さんに何が必要なのか、誰に頼ればいいのかといった全体的なことを診ています。患者さんを支える地域包括ケアの要として、ご本人にとって最適な治療や支援の方針をまとめていけるよう、経験を重ねています。

自分の「できる」「できない」が、地域医療の質を左右自分の「できる」「できない」が、地域医療の質を左右 研修医時代、地域のいろいろな診療所を回ったとき、大抵の施設には胃カメラがありました。赴任して私が胃カメラをできないと、そこの医療水準は下がってしまいます。そこで、内視鏡を学びたいと指導医の先生に相談したところ、前例がない中、調整して消化器内科を研修に組み込んでくださいました。とてもありがたく、その期待に応えたいと思っています。総合診療医への道はまだ途中ですが、学生よりも研修医、研修医よりも専攻医と、年々楽しさは増しています。日々自分のやりたいことができ、それがちゃんと患者さんの役に立っている――そのことが今、何よりしあわせだと感じています。 臨床では病歴聴取に加え、患者さんを直接診たり聴いたり触れたりして身体で覚えるという経験を積むことが多いですが、学会に参加し、常に最新の医学知識を学ぶことも重要だと感じています。その両輪で、患者さんを支えていきたいですね。

Voice ?総合診療専門医の今?Voice ?総合診療専門医の今?

患者さんの望む治療と暮らしを包括的・継続的に支える患者さんの望む治療と暮らしを包括的・継続的に支える

2018年度研修開始、2020年度研修修了 ※2025年度取材
江端 千尋
(2015 年度高知大学医学部卒業) 
急性期だけを切り取って診るのではなく、その人の背景や退院後の療養生活など患者さんの人生そのものを診ることのできる医師になりたいと考え、総合診療医を目指しました。このプログラムは指導医が豊富なこと、気軽に相談できる体制があること、専攻医1年目から定期外来を持って患者さんと信頼関係を築きながら変化を診ることができることなど、意欲的に学べる環境が整っていました。
専門研修期間中、診療においていちばん悩ましかったのは糖尿病の管理です。そこで総合診療専門医を取得した後、糖尿病専門医も取得しようと高知医療センターの糖尿病・内分泌内科で研修に臨み、今年、4年ぶりに総合診療科に戻ってきました。目指すのは、糖尿病に強い総合診療医です。地域の暮らしに寄り添いながら、学んだことを患者さんやご家族に還元していきたいと考えています。

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複数の疾患や多様な背景を持つ患者さんとご家族を支えられる医師に複数の疾患や多様な背景を持つ患者さんとご家族を支えられる医師に

2018年度研修開始、2020年度研修修了 ※2020年度取材
西原 桜子
(2013年度 自治医科大学卒業)
私は地域医療を志す中で、新設された制度への期待を持ってこのプログラムに参加しました。研修期間中、県西南部の中核病院である幡多けんみん病院、地域密着型の嶺北中央病院、三次救急医療機である高知医療センターに赴任。どの施設でも、指導医の心強いサポートのもと診療方針などを自分で決めさせてもらえることが多く、たくさんの貴重な経験を得ることができました。 3年間を通して何より勉強になったのは、患者さんの治療環境のマネジメントです。高齢化が進んで複数の疾患を抱える患者さんが増え、さらに社会的な問題や生活背景なども絡み合う中で、多様なスタッフと連携して治療と生活のマネジメントを行うことの重要性と難しさを実感しました。また患者さんとご家族の思いにしっかりと寄り添っていくために、例えば嚥下機能が落ちた方に対してのリハビリや、在宅の緩和ケアなどについてもっと学びたいと考えるようにもなりました。 総合診療医の需要は今後さらに高まっていくと思いますが、その分、自己研鑽やライフプランの実現と両立してフレキシブルに働ける専門領域だとも感じています。プログラムを修了してもまだまだ学びの途中ですが、総合診療医としての自分の道はここから始まると信じています。

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緊急性の高い病気を判別できる確かな臨床能力を養う緊急性の高い病気を判別できる確かな臨床能力を養う

2018年度研修開始、2021年度研修修了 ※2020年度取材
東山 祐士
(2014年度自治医科大学卒業)
高齢化が全国に10年以上先行する高知県で、総合診療やへき地医療に携わり地域に貢献すると同時に、これからの日本に必要な医療を学びたいと考える東山医師。今後の展望をお聞きしました。
臨床では病歴聴取に加え、患者さんを直接診たり聴いたり触れたりして身体で覚えるという経験を積むことが多いですが、学会に参加し、常に最新の医学知識を学ぶことも重要だと感じています。その両輪で、患者さんを支えていきたいですね。
患者さんの最初の窓口として症状や疾患を選り分ける力を磨く患者さんの最初の窓口として症状や疾患を選り分ける力を磨く総合診療医として大切なのは、やはり自分が患者さんの最初の窓口として、それがよくある疾患なのか稀な疾患なのか、あるいは危険な症状なのかそうではないのかを選り分けることです。十分な設備のない中で診察することも多いので、身体所見や病歴などから推察することも必要になってきます。そのセンス、能力を磨くことが重要だと感じています。その点、1年目の高知県立幡多けんみん病院では多様な疾患の患者さんを診察し、より実践的な経験を積むことができました。また月に一度、離島の鵜来島での診療も経験。廃校になった小学校の保健室を診療所に、へき地医療の現場を学ぶことができました。

病気を治すだけでなく、どう付き合っていくかを考える病気を治すだけでなく、どう付き合っていくかを考える 2、3年目にお世話になったのは山間部の梼原病院です。幡多けんみん病院が救急を受け入れる側だったのに対し、梼原病院は救急患者を送り出す側。どこまでなら自分で診られるのか、どこからは送った方がいいのかという線引きをここで学ばせてもらいました。 今後、高齢化が加速する中、病気の治療はもちろん、どう病気と付き合っていくかがより重要になってきます。それを担うのは総合診療医。大きな使命を感じています。 臨床では病歴聴取に加え、患者さんを直接診たり聴いたり触れたりして身体で覚えるという経験を積むことが多いですが、学会に参加し、常に最新の医学知識を学ぶことも重要だと感じています。その両輪で、患者さんを支えていきたいですね。

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患者さんの疾患や周辺の問題を包括的・継続的に診る患者さんの疾患や周辺の問題を包括的・継続的に診る

2018年度研修開始、2020年度研修修了 ※2020年度取材
江端 千尋
(2015年度高知大学医学部卒業)
救急や急性期だけ切り取るように患者さんを診るのではなく、患者さんの健康への不安や日々の暮らしに常に寄り添える医師でありたい――そんな思いで総合診療医を志した江端医師に、研修期間を振り返ってもらいました。
来院された患者さんの病気の診断がついたり、症状が改善し元気になっていかれる姿を見るのが、今の私の一番の喜びです。いずれは、小・中規模の病院で患者さんやご家族に寄り添った医療を実践していければと考えています。
さまざまな疾患を判断、フォローできる総合診療医にさまざまな疾患を判断、フォローできる総合診療医に総合診療医は、専門性の対極にあると思われがちですが、実はそうではありません。高齢化が進む中、複数の疾患や問題を抱える患者さんが増えていますが、総合診療医がさまざまな疾患に対して適切な判断やフォローをしながら、必要があれば専門の科に紹介したり包括的な支援につないだりすることで、そういった患者さんもいくつもの病院を回ることなく安心して地域で暮らしていくことができます。本プログラムの研修を通して、それこそが総合診療医の専門性だという確信を得ることができました。

患者さんとご家族のいちばん近くで寄り添い、支える患者さんとご家族のいちばん近くで寄り添い、支える 私は1年目は高知医療センターで主に専門科をローテートして学び、2年目は県東部の中核病院である高知県立あき総合病院で一般内科を中心に経験を重ねました。そこでは、住み慣れた地域で最期を迎えたいという患者さんの思いや、地域で医療が完結できる満足感に触れることができました。3年目の野市中央病院では、地域の規模が小さい中で、多職種連携による退院調整や在宅医療など経験の幅も広がりました。患者さんやご家族と深く関わり、病気だけでなくその人の思いや背景も診る。それが総合診療医の魅力です。ぜひ多くの研修医の皆さんに目指していただければと思います。 来院された患者さんの病気の診断がついたり、症状が改善し元気になっていかれる姿を見るのが、今の私の一番の喜びです。いずれは、小・中規模の病院で患者さんやご家族に寄り添った医療を実践していければと考えています。

Voice ?総合診療専攻医の今?Voice ?総合診療専攻医の今?

患者さんやご家族のLifeに寄り添える医師を目指して患者さんやご家族のLifeに寄り添える医師を目指して

2018年度研修開始、2021年度研修修了 ※2018年度取材
上田 光里
(2015 年度高知大学医学部卒業) 
総合診療は将来どんな道を歩むとしても医師として大切な基盤となる――そう話す福本医師は、高知家プログラムの第一期生。現在は高知県立あき総合病院で、指導医・上級医や経験豊富な看護師などのコメディカル、そして何より患者さん自身から多くの学びを得ながら、日々研修に取り組んでいる。
研修医として勤めていた時、こういう人たちと一緒に働きたい、こういう医師になりたいという刺激を私に与えてくださったのが、総合診療に携わる先生方でした。病気だけでなく常に患者さんの背景までしっかり診ようとするその姿勢から、医師として、また人として大切なことを教わり、自分も総合診療医の道に進もうと決意しました。
現在はプログラム1年目の専攻医として、指導医・上級医の指導のもと、外来や病棟でさまざまな患者さんを受け持たせていただいています。まだまだ未熟ですが、ゆったりとした高知の暮らしや人のつながりの中で患者さん一人ひとりに寄り添った医療に関われることが、今の私の糧となっています。精一杯、成長しながら、少しでも地域医療に貢献できればと考えています。

指導医メッセージ指導医メッセージ
澤田 努 先生

当施設は、高知市西部地域で年間300前後の救急車を受け入れながら、350人前後の訪問診療を行っています。特に訪問診療は数が多く、特徴の一つだと言えます。外来では多くのCommon Diseaseとトラウマを抱えた子の思春期医療を経験できます。これまで1名の家庭医療専門医の養成に関わりました。総合診療専門医・家庭医療専門医は、心と体をバランスよく診ることが求められます。専攻医が患者さん、ご家族、その背景を洞察し、ヘルスメンテナンスを行っていくためには、自らの心と体のセルフコントロールが必要です。毎週の振り返りを通して専攻医の特徴に合わせた指導を心がけています。

高知生協病院 家庭医療科部長 研修統括責任者 佐藤 真一 先生

澤田 努 先生

県東部の中核病院である当施設最大の特徴は、“地域密着”。総合診療においても地域に密着した外来、救急、入院、在宅診療を行っており、地域のケアマネ、地域包括支援センターのスタッフなどと連携して地域医療に取り組んでいます。また、総合診療医の根幹は、脳外科や婦人科など他科の医師からの信頼を得ることにあります。地域では老老介護、認認介護なども増え、専門性の高い治療を選択しない(できない)人が増加しています。だからこそ総合診療医が連携の要となり、その方にふさわしいオーダーメイドの医療を作っていくことが求められています。ぜひ一緒に総合診療専門医を目指しましょう。

高知県立あき総合病院 病院総合医養成センター長・総合診療内科部長 的場 俊 先生

川村 昌史 先生

当幡多けんみん病院内科では総合診療Ⅱ及び内科領域の研修を行います。これまで3名の日本プライマリ・ケア連合学会認定の総合医・家庭医養成プログラム専攻医の指導実績があり、現在も1名の総合診療専門医を目指す専攻医を指導しています。幡多地域の最後の砦として、よくある疾患から希少疾患まで幅広く経験でき、日常診療で必要となる各種手技の習得も可能な体制を整えています。また疾患のみではなく、生活者としての患者・患者背景を視野に入れた対応を学んでいただけるよう心がけています。幡多地域の豊かな自然を楽しみながら、ぜひ一緒に総合診療専門医を目指しましょう。

高知県立幡多けんみん病院 内科部長(統括)、研修管理センター長 川村 昌史 先生

公文 龍也 先生

当院は、地域に根付いた中核病院として、近隣の診療所からの紹介および高次の医療機関からの転院が多数あり、救急指定病院として年間300台前後の救急搬送を受け入れています。外来での疾患も多岐にわたり、さまざまな症例が経験できますし、他科の先生にも気軽に相談ができるため、知識の幅が広がる環境にあります。また、特別養護老人ホーム オーベルジュも併設しており、医療と福祉の連携についても勉強できます。香南市は、高知県の中でも人口減少が少ない地域で、若い世代もたくさん住んでおり、また病院の場所は、南海トラフ大地震による津波からも安全とされています。

野市中央病院 院長 公文 龍也 先生

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